ブログ2022/03/11
「フラット35」を提供する住宅金融支援機構の
投資家向けの資料から抽出したデータによると、
2000年度から2020年度のフラット35の
利用者である122万人を分析したところ、
1:借入年齢の上昇
2:借入額の増加
3:融資期間の長期化
この3つの要素が重なったことによって、
ローンを完済出来る年齢が
大きく上昇しているとのことです。
つまり、以前に比べると、
老後に返済リスクを先送りする傾向がある
ということなのですが、
このデータの結論としては、
2020年にフラット35を利用した方が
ローンを完済する平均年齢は、
73歳だということです。
言い換えるならば、
どんな状況であろうと、
73歳まで働き続けることを前提として、
家づくりをしている方が、
数多くいるということですね。
おはようございます。
SIMPLE NOTE 岡山南スタジオ の新内です。
さて今回は、
日経新聞に出ていたこの記事について、
もう少し掘り下げてお伝えしていきたいと思います。
借入時の年齢は2000年代前半の時点では
37〜38歳が平均だったようなのですが、
その後、結婚年齢の上昇などに伴って
家を取得する年齢が引き上げられたため、
2013年度以降は40歳あたりをずっと推移しているとのことです。
まぁ、ここに関しては、
別段、驚くこともない感じですよね。
しかし、次の借入額に関しては、
この20年間でずいぶんと違ってきているようです。
データによると、
総融資額を融資件数で割った平均融資額は、
この20年間で、
なんと1200万円も増えているとのことでした。
(2003年度→1900万円)
(2020年度→3100万円)
理由としては、
金利負担が驚異的に軽いため、
頭金の比率を減らし、
逆にローンを増やす傾向にあることと、
資材価格の高騰や増税などの影響によって
住宅価格が上昇を続けていること、
が挙げられるようですが、
今の住宅価格の動向を見る限りでは、
この借入額については、
今後ますます増えていきそうな気がします・・
そして、借り入れが増えれば
当然、返済期間も長くなるのですが、
データによると、
2000年度にローンを組んだ方と
2020年度にローンを組んだ方とでは、
完済時の年齢が5歳も違ってきているとのことです。
(2000年度にローンを組んだ人の
完済時の平均年齢が68歳に対し、
2020年度にローンを組んだ人の
完済時の平均年齢は73歳らしいです)
また、60歳時点のローンの残額も、
借入額同様に爆上げしています。
なんせ2003年度にローンを組んだ方の
平均残額700万円に対し、
2020年度にローンを組んだ方の
平均残額は1300万円と
2倍近い金額になっていますからね
まー、今は人生100年時代と言われるぐらい
日本人の寿命はどんどん延びていっているので、
60歳以降も15年〜20年働くと考えれば、
問題ないといえば、そうかもしれないんですけどね。
とはいえ、ずっと健康で働くことが出来る
保証なんてどこにもないので、
もしもの時には備えておかないといけませんけどね。
なんせこれからは、
退職金だってあてにならないかもしれませんしね。
30代中盤までに家づくりをすれば、
最長の35年でローンを組んだとしても、
繰上げ返済をせずとも70歳までには完済出来るので、
借入額さえ間違えなければ大きな問題はないと思います。
しかし、その年齢を超えて家を建てるとなると、
かなり慎重に予算や返済期間を設定すべきです。
というのも、
フラット35を利用している45〜50歳の9割が
80歳近くまで返済することを前提として、
住宅ローンを借りているのですが、
これは住宅購入の選択肢は増えるものの、
かなり老後の返済リスクが高まってしまうからです。
若い時に貧乏になるのと、
歳をとってから貧乏になるのとでは、
状況が天と地ほど違いますからね・・・
事実、現在でも定年後も
ローン返済に追われていることを理由として、
パートやアルバイトを始めて
ギリギリでやりくりしている
高齢者が増加していると言われています。
なので、30代中盤を過ぎてから家を建てるなら、
老後の暮らしも並行して考えた上で、
予算設定を行っていただければと思います。
そして、その予算の範囲内で、
実現可能な家づくりをしていただければと思います。
それでは・・・。