ブログ2019/03/22
多くの方が予算カットで陥る罠と、そのしわ寄せとは?
建てた後も少しでもゆとりを持ちながら暮らしていこうと思うと、
また、もっと先の暮らしのことまで考えてみると、
こうしたいという要望は多くお持ちだとは思いますが、
削れる無駄をしっかり削ることで、
可能な限り家づくりの予算を圧縮していく必要があります。
しかしながら、その予算の圧縮を
家そのものに集中させてしまうと、
非常に暮らしにくくなったり、
逆に無駄なモノに余分な出費を強いられることになるので、
全体的にバランスよくコストカットすることが
大切なポイントになってきます。
おはようございます。
SIMPLE NOTE 岡山南スタジオ 新内です。
例えば、少しでも予算を圧縮しつつ、
ある程度要望に沿った家を設計しようと思えば、
多くの場合、1階と2階の面積が同じか同じに近い、
いわゆる総二階建て住宅になってくるのですが、
こういった家は坪単価も安く、
一見希望にある程度沿った住まいが
出来上がったように感じるものの、
その後の暮らしにおいて、
なんらかの不便や不都合が出てくる可能性が高くなります。
リビングが狭苦しい・・・リビングが片付かない・・・。
家の予算を圧縮しようと思うと、
家をコンパクトにする必要があるのですが、
こうした場合、気を付けなければいけないのが
1階の収納不足の問題です。
コンパクトな2階建て住宅が陥る代表的なジレンマが、
LDKも広くしたいし、1階に収納もたくさん欲しい、
そしてそれらをお互い同時に叶えることが難しい・・・
というものです。
LDKを広くすれば、どうしても収納が少なくなってしまうし、
逆に、収納を多く作ろうと思えば、
LDKが狭くなってしまうということですね。
そして、それを補うかのように、
スペースが余りがちな2階に、たっぷりと収納を作ります。
しかしながら、普段から使わないものの収納としては
その2階の収納も役立つのですが、
いつも着る服や、子供たちのおもちゃや絵本など
普段から頻繁に使うものに関しては一切役に立ちません。
2階までいちいち片付けに行くのは、めんどうくさいですからね。
かといって、1階に収納が少ないと
それらの行きどころはないので、
結局LDKのどこかに、それ用の置き家具を買って置くことになり、
狭くなるわ、いつもグッチャグッチャにごった返すわ・・・。
という状態になってしまいます。
家事動線が長くなってしまう・・・
共働きが当たり前の時代ですから、
少しでも家事の手間を省きたいと思うのは、
ごく当たり前の気持ですよね?
そして、それを実現するために一生懸命間取りを考えます。
しかしながら、先程お伝えさせていただいたように、
1階に収納が少ないと、いつもキレイに保つためには、
わざわざ2階まで片付けにいかないといけなくなるので、
かなり遠くめんどくさい動線となってしまいます。
また、洗濯物の一連の作業もよく考えないと、
遠く余計に手間がかかることになってしまいます。
2階のベランダまで干しに行くとなると、
重いモノを持ったまま最長の家事動線を行き来することになるし、
かといって勝手口から外に出て干すとなると
取り込むために何回も往復しないといけなくなり、
けっこう手間がかかってしまいますからね。
丸見えの家 or 薄暗い家 になってしまう・・・。
このような設計の家は、
主に直射日光が当たる方向に窓を作っています。
となると、日当たりが良い土地では、
外から丸見えになってしまうし、
日当たりが悪い土地であれば、
光が室内まで届かず薄暗い家になってしまいます。
そして、いずれにせよ周囲からの目線を防ぐために、
主な窓には全てカーテンを設置するようになり、
カーテン代という余分な費用が別途で発生してしまいます。
また、日当たりが良すぎる家は
窓から侵入してくる日差しが厳しすぎるため、
それを防ぐためにわざわざシャッターまで設置してしまいます。
となると、さらなる余分な費用が発生することになります。
外構(庭)工事に想像以上にお金がかかってしまう・・・。
普通のデザインの家の場合、
家そのものが普通なため、それを惹きたたせるためにも、
また丸見え感を少しでも防ぐためにも、
外構工事にそれなりの予算をとっておく必要があります。
また、1階の面積が小さい分、
土地にも余分な余白が出来やすくなってしまうので、
そもそも工事をしなければいけない面積が広くなってしまいます。
そして、その結果、
こういった家の場合、土地の広さにもよりますが、
最低100万円、出来ることならば200万円ぐらいは、
予算計上しておくようにしなければいけなくなります。
老後に増築しなければいけない可能性が高くなる・・・。
30代で老後のことまで考えるのは難しいかもしれませんが、
家づくりは、今だけのことじゃなく、
老後のことまで考えて行なう必要があります。
ずっとそこで暮らしていくわけですからね。
老後、もし足や腰が悪くなってしまったらどうでしょう?
それでも、2階まで寝に行かなくてはいけないとなると・・・。
それでも、2階まで洗濯物を干に行かなくてはいけないとなると・・・。
それは絶対に大変ですよね?
となると、1階に部屋や洗濯干場を増築せざるを得なくなってしまいます。
老朽化したキッチンやトイレの取り替えや内装のリニューアルだけでも
それなりにリフォーム費用がかかるというのに、
さらに増築までしないといけないとなると、
その負担は、倍どころか3倍ぐらいまで跳ね上がってしまうことになります。
他方、そうなれば、
2階に作った部屋は全て必要なくなります。
おそらく家を建てた最初の10年ぐらいも、
2階はほとんど使わないでしょうから、
それらを合計すると、わずか数年間使うためだけに作った2階の部屋って
めちゃくちゃ割高な買い物だと思いませんか?
このように、家そのもののコストを落とすことに
焦点を絞って家づくりをしてしまうと、
非常に使い勝手が悪く、住みにくい家になってしまいます。
また、外構やリフォーム費用に
余分な費用をかけないといけなくなるので、
結果的に費用が高くついてしまいます。
ですから、最初にお伝えさせていただいたように、
全体的にバランスよくコストカットしていく必要があるのですよね。
ということで、次回は
家づくりの予算を圧縮するための
バランスの良いコストカット方法について
お伝えしていきたいと思います。
それでは・・・。
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