ブログ2018/11/06
多くの方が実現出来ていない理想の暮らし
なるだけ早く決断をしてもらうために、ガンガン圧力をかけてくるのが、最もポピュラーな不動産屋さんの営業スタイルですが、場所と日当たりの両方が良い土地となると、とりわけその圧力は強くなり、ほぼ例外なく、その場で即断即決を迫られることになります。
もちろん、その土地を気に入っているならば、迷うことなく即決した方がいいと思いますが、とはいえ、過去に何度もお伝えしたように、そういった土地は、価格設定が高く、また値引き交渉も難しいことから、家に予算が充分にとれなくなってしまったり、住宅ローンに大きな負荷がかかってくる可能性が高くなってしまいます。
ですから、土地を探し始める前には必ず資金計画を行い、そもそも、そういった土地を買っていいものなのかどうなのかを、自分自身が知っておくようにしないといけないわけですが、しかし、もし買っても大丈夫だという結論に至り購入したとしても、果たして本当に暮らしやすい家が出来上がるのでしょうか?
おはようございます。
SIMPLE NOTE 岡山南スタジオ 新内です。
というのも、日当たりが良い土地を買えば日当たりがいいのは間違いないのですが、その恩恵を充分活かした家になるかどうかは、また別の問題だからです。
例えば、日当たりが良い土地の多くは、道路が南に接している土地なのですが、そんな土地は、以下のような問題が発生しやすくなるというリスクも持ちあわせていたりします。
CASE 1:丸見え
せっかく日当たりの良い土地を買ったのですから、南には大きな窓をつくりたいもんですよね?
しかし、そうなると道路から丸見えになってしまうので、やたらと視線が気になってしまいます。
そしてレースカーテンをずっと閉めっぱなしになってしまいます。
(中には、ドレープカーテンまで閉めっぱなしになっている人がいますが、これではなんのために窓をつくったのか意味がありませんよね?)
CASE 2:風が通らない
モデルハウスは家の中を見せる家なので、大きな窓を南につくっても問題ないのですが、実際住むとなると、丸見えになるのは問題だらけです・・・
そして、それを防ぐためカーテンを閉めっぱなしにしていると、一切風を家の中に入れられません。
ここ最近、地域や季節ごとに変化する風の流れる方向まで計算したパッシブ設計を提案される会社がちょくちょくありますが、そもそも窓が開けられないのでは、これも絵に描いた餅でしかありません。
CASE 3:眩しすぎてテレビが見にくい
南から射し込んでくる日は、想像以上にキツいものです。
その証拠として、シャッターをずっと閉めっぱなしにしている家や、すだれを垂らし、さらに緑のカーテンまでしている家を、よくお見かけしませんか?
『窓から射し込む日で日光浴を楽しみながらリビングでのんびり過ごす・・』
そう出来れば、これほど最高なことはありませんが、現実はそのような暮らしを送ることは一切ないでしょうし、日が反射して眩しすぎてテレビが見にくくなってしまうことから、結局はカーテンをずっと閉めて過ごすことになります。
CASE 4:ウッドデッキを全く使わない
日当たりが良い土地で、日当たりの良いリビング、そして、リビングの向こうにはウッドデッキをつくり、そこでバーベキューを楽しむ・・
これは多くの方が想像する理想の家像だと思いますが、丸見えのリビングの外にある丸見えのウッドデッキで、ご近所さんに見られながらバーベキューなんてするでしょうか?
もしかしたら、せっかくつくったので1度や2度はするかもしれませんが、30万円以上ものお金を費やしたにもかかわらず、ただの飾りになってしまう可能性が高いのがこのウッドデッキです。
その上、無垢材じゃなく、アルミや樹脂などの素材でつくってしまった時には、夏はやけどするぐらい熱くなるし、冬は一瞬で全身が凍るぐらい冷たくなってしまいます。
となると、他の用途としても使いにくくなってしまいます・・・
CASE 5:生活感丸出し
日当たりがいいと、2階の南一面に大きなベランダをつくります。
そして、ここに洗濯物を干すようになるし、布団も干すようになります。
この場合、確かに洗濯物はよく乾くし、布団もホクホクになりますが、その反面、生活感が丸出しになってしまうし、こういった家は、家族構成や間取りが一目見ただけで分かってしまうことから、プライバシー性に加えて防犯性までも低い家になってしまいます。
いかがですか?
言われてみると、なるほどそうだなと思われることもたくさんあったのではないでしょうか?
たとえ日当たりが良い土地を買ったからと言っても、決して全ての家が、明るくて、風通しが良くて、暮らしやすい家になるとは限りません。
悲しいようですが、これが現実です。
その反面、一見あまり良くなさそうな土地だったとしても、予想に反して明るく、風通しが良く、とっても暮らしやすい住まいが出来上がたりするのも、家づくりにおける意外な事実だったりします。
ですから、土地探しにおいてもそうですし、家づくりにおいても、世間の常識にとらわれ過ぎず、また偏見に耳を傾け過ぎず、柔軟に物事を考えられるようになっていただければと思います。
それでは・・・。
一覧に戻る