ブログ2018/11/02
基礎工事の途中で、お施主様から電話がかかってきて、『新内さん、うちの家って小さくないですか?』という質問をたびたびお聞きします。
もちろん、決して家が小さいわけでもなければ、弊社が間違えているわけでもないのですが、目線的にどうしても小さく見えてしまうため、このような不安にかられてしまうことになります。
工事前に『小さく感じてしまいますが心配ないですよ!』と、あらかじめお伝えしていてもです。
そして、この基礎と同様に実際の面積よりも小さく感じてしまうのが“土地”です。
50坪の土地なんて、極端に言うと、家が建っていなければ『えっ!?こんなとこに家建つの??』って思ってしまうのではないでしょうか?
それゆえ、多くの方が、無駄に広い土地を購入しようとしてしまいます。
おはようございます。
SIMPLE NOTE 岡山南スタジオ 新内です。
そりゃあ、あなたが住もうと考えている地域が郊外であれば、坪10万円以下で土地を購入出来るところが多々あるので、60坪を超える土地を購入していただいても、多くの場合、問題ないでしょう。
そして、視線の問題だったり、日照の問題をそれほど気にすることなく、2階建ての家はもちろんのこと、ゆったりとした平屋住宅でさえも建てることが出来るでしょう。
(ゆったりとしたといっても25〜28坪ぐらいの広さです)
ですが、あなたが住もうと考えている地域の土地の価格が、坪20万円を超えるような場合、広い土地がいいなと考え、60坪を超えて土地を購入してしまうと、大幅に予算が上がってしまうことになるので、住宅ローンの借入額を増やさざるを得なくなるか、自己資金をもっと多く入れないといけなくなるか、家の予算を削らざるを得なくなってしまいます。
住宅ローンに負担がいってしまうと、間違いなく建てた後の暮らしに、なんらかのしわよせがやってくることになります。
金銭的にゆとりがなくなり、結果的に精神的にもゆとりがなくなってきますからね。
例えば、600万円多く借入せざるを得なくなれば、35年返済で考えたとしても、単純に20,000円も毎月の返済額が増えてしまうことになります。
その上、年齢的に35年返済にするのがキツいとなると、もっと毎月の負担率が上がってくることになるので、より生活が厳しくなり、生活の質を落とさざるを得なくなります。
ですが、それを少しでも防ぐため、自己資金を多く入れてしまえば、それはそれで手元にお金がなくなってしまうので、なんともいえない不安感を抱えながら暮らしていくことになります。
もちろん、車だってローンで買わざるをえなくなるでしょうから、余分な金利を払うことになり、手元にお金が残りにくくなっていきます。
ですから、土地にお金をかけ過ぎてしまったこの場合、最も現実的な選択が、家の予算を削るという選択肢です。
ですが、この場合よく考えて家を建てないと、非常に住みにくい家を建ててしまうことになります。
というのも、家のコストを落とそうとすると、1階を可能な限り小さくしつつ、1、2階の面積が同じである総2階の家を提案されるからです。
このような家の多くが、1階にはリビングダイニングキッチンしかありません・・・
そして収納がほとんどありません・・・
となると、せめてこれぐらいはと、リビングを広くつくってもらったとしても、収納が足りないことから、リビングやダイニング、それからキッチンの至るところに、荷物が散乱することになってしまいます。
また、2階に個室が多くあっても、子供が小さいうちは全く使わないことから、仮に28坪の家をつくったとしても、実質18坪ぐらいのスペースだけで暮らさざるを得なくなります。
下手したら10年以上もの間です。
しかし、これでは賃貸アパートの時と、大して広さが変わらなくなってしまう上に、平面だったアパートに比べて、上下階に分かれてしまう一戸建てでは、余計暮らしにくさを感じてしまうことになります。
ですから、設計に工夫をするようにしなければいけません。
いかにコストを上げずに、暮らしやすさをアップさせるか?という工夫をです。
ですが、もっと良い選択肢は、そもそも土地購入費用を最大限に抑えるようすることです。
平屋となれば、55坪以上の広さがないと間取り的に厳しくなってしまうのですが、2階建ての場合であれば、土地の形状にもよりますが、比較的きれいなカタチで区割りしてくれている新規分譲地などであれば、40〜45坪あれば、カッコ良くて暮らしやすい住まいを建てることが出来ます。
となれば、坪20万円の土地であれば、土地購入費用を300万円〜400万円抑えることが出来るようになり、その分、建築費用にお金を回すことが出来たり、家づくりの総費用をカットすることだって出来るようになります。
とはいえ、ただでさえ小さく見えてしまう更地の土地なので、ただ土地を見ただけで、40〜45坪の土地を買うのは、かなり難しく、決断に勇気がいります。
ですから、土地探しをする時には、必ず住宅会社にも協力していただくことをオススメします。
それが土地費用を抑え、より理想に近い家を建てる秘訣ですし、建てた後、金銭的にも精神的にもゆとりを持ちながら暮らしていく秘訣ですから。
それでは・・・。