ブログ2018/10/05
ここ数年急速に家の高断熱化が進んでいるわけですが、断熱を強化することにより、そして同時に気密も強化することにより、外からの熱や冷気の侵入を、より防ぐことが出来るようになり、また中から外へ逃げていく熱や冷気を、より防ぐことが出来るようになります。
つまり、そうすることで、家の中の温度が、かなりコントロールしやすくなり、不快指数が急上昇する夏や冬が、ずいぶんと過ごしやすくなるというメリットがもたらされます。
そして、それに加えて太陽の直射光による熱や、風といった自然の力を最大限に利用していくパッシブ設計をすることにより、冷暖房機器の使用を抑えることが出来れば、光熱費もカット出来るようになるし、二酸化炭素排出だって削減出来るようになると言われています。
しかしながら、このパッシブ設計のセオリーに従って家づくりが出来れば、それはとても素晴らしいものであるとは理解出来るものの、その実現は、多くの方にとって経済的に難しいものとなってきます・・・
おはようございます。
SIMPLE NOTE 岡山南スタジオ 新内です。
まず、土地購入費用がかなり割高になってしまいます。
なぜなら、太陽の日差しを室内にたっぷり取込もうと思えば、絶対に南の方角には、太陽の日差しを遮るものがないようにしなければいけないですし、あわよくば東の方向だって障害物がない土地を選んだ方が、この設計によるメリットを、より活かすことが出来るようになるからです。
となれば、家を建てる敷地は、南と東に向かって充分なゆとりがあるものでなければいけないですよね?
なんといっても、南における太陽高度というものは、夏はものすごく高いものの、たっぷり日差しを取り入れたい季節である冬はものすごく低くなりますし、(夏至は77度ぐらいで冬至は33度ぐらいと言われています)
東に至っては、1年を通して変わりなく太陽高度の低い方向ですからね。
その結果、それなりに広い土地を購入せざるを得なくなってきてしまうので、土地取得費がずいぶんと割高になってしまうわけです。
となると、土地価格が高いエリアで、この設計を最大限に活かした家づくりをしようと思えば、より家にかかってくる負担が大きくなってしまうようになるし、そうなれば、親御さんからの援助がよほどあるか、よほど収入の高かったり、半端ない額の貯蓄がある人じゃなければ、そもそも家を建てること自体が難しくなってしまうし、もし、ローンでその不足分をまかなうことが出来たとしても、なんらかの形でその負担があなたを苦しめることになってしまうかもしれません。
土地の面積に連動して、庭の工事費用だって高くなってしまうわけですし、土地面積が大きくなれば、固定資産税の負担だって大きくなってくるわけですしね。
また、土地価格が安いエリアであったとしても、予算やローンへの負担はそれほどまででもなかったとしても、庭の維持管理も大変な手間と作業になってきます。自然の力を利用するわけですから、庭にも自然と緑が増えることになりますしね。
では、太陽の日差しを100%確保出来るという点において、圧倒的な人気を誇る南側道路を購入するとした場合、このパッシブ設計を活かすことが出来るようになるでしょうか?
この場合も、小さな面積の土地では、その実現は少々難しくなってしまいます。
なぜなら、南道路の場合、南側の大きな窓の向こうが駐車場スペースとなってしまい、となると、駐車場にはコンクリートが打設され、その結果、夏の厳しい日差しがコンクリートに照り返され、その熱が、ガラス窓を通して家の中に入ってくることになるからです。
ですから、そうならないようにするためにも、たとえ南道路の土地だったとしても、東西にも、そして南北にもゆとりのある少々広めの土地を選ぶようにした方がいいということになります。
そうした方が、南に向かってより多くの部屋をとることが出来ますし、夏の照り返しも防ぐことが出来るようになりますしね。
となると、やはり土地購入費用は高くなってしまいますよね?
南道路の場合、周囲からの丸見え感も半端ないことから、その目隠しの意味も込めて、庭の工事費用だって、余分に予算計上しておく必要があるわけですしね。
(そもそも常時、窓が開けられるようにしておかないと、自然の風を室内に取込むことだってほぼ出来ないことになってしまいますからね)
いずれにせよ、パッシブ設計を最大限に活かした住まいにしようと思うと、家だけじゃなく、土地にも庭にもより大きな費用がかかってくるということなので、この現実は、しっかり理解しておいていただく必要があることなのですよね。
住宅会社は、家についてはしっかりと説明してくれますが、土地や庭のことなどについては、大してアドバイスしてくれなかったりしますからね。
現実的な予算でナチュラルな住まいをつくる方法では、一体どのようにすれば、断熱性能に優れた素晴らしい住まいを建てつつ、自然の恩恵を受けられる住まいを建てることが出来るのでしょうか?
建てた後の暮らしだったり、将来にしわ寄せが行かない現実的な予算の中で。
ということで、この方法については次回お伝えしていこうと思います。
それでは・・・。