ブログ2018/09/07
機能性に優れた製品が、そうじゃない製品に比べて価格は高いものの、壊れにくかったり、長持ちするのと同じように、住み心地に優れ、長持ちする良い家にしようと思えば、どうしても建築コストが割高になってきます。
例えば、住み心地の良さを形成する1つの要素として、家の断熱性能の良し悪しがあるのですが、機能性に優れた断熱材とそうじゃない断熱材では、大幅に建築コストが違ってきます。
家の形によっても異なってくるのですが、だいたい50万円〜100万円ぐらいの違いといったところでしょうか?
おはようございます。
SIMPLE NOTE 岡山南スタジオの 新内です。
しかしながら、機能性に優れた良い断熱材を使用すれば、初期コストは高くなってしまうものの、その分継続コストとして必要となってくる“光熱費”が大幅に安くなります。
仮に、それだけで光熱費が毎月平均5,000円安くなるとしたら、生涯コストとしては、210万円(35年で計算)〜270万円(45年で計算)ぐらい違ってくるという感じですね。
しかも、ただ単に光熱費が安くなるだけじゃなく、外気の影響を受けにくくなることと、室内の空気が外の漏れにくくなることから、家の中の快適性が圧倒的に違ってきます。
つまり、夏なら、そもそも外の暑さの影響を受けにくい上に、冷房がめちゃくちゃ効きやすくなり、1つの部屋だけ冷房するのではなく、家全体をまんべんなく涼しくすることが出来るようになるし、冬なら、その逆になりつつ、最も手強い足元の冷えを大きく緩和することが出来るようになります。
(これに加えて、床板に柔らかい無垢の木を貼れば、足の裏で感じる冷たさも大きく違ってきます)
といっても、家を不必要に大きくしてしまえば、その分冷暖房効率は悪くなってしまうし、そうなると、快適性を保つためにどうしてもドアを閉めてしまい、局所にしか冷暖房の効果が行き届かなくなってしまうので、それに合わせた間取り設計をしなければ、せっかくのメリットを半分も享受出来なくなってしまうんですけどね。
機能性に優れた住まいを建てるためには、いかに無駄を省くのか?を意識することです。
無駄と言うと聞こえは悪いかもしれませんが、無駄を省くことが、機能性に優れた住まいを可能な限り安く建てるためには不可欠な要素となってきます。
例えば、廊下です。
ただ単に通るだけの廊下も、部屋や収納と同じようにコストがかかりますし、廊下があれば、心理的にドアを閉めたくなるものなので、コストカットのためにも、またせっかく高めた機能性のパフォーマンスを最大限に発揮するためにも、廊下を最大限に省くことは外せない要素となってきます。
リビング以外の個室についても、無駄に多くつくろうとしていないか、あるいは無駄に広くしようとし過ぎていないか、冷静に考えてみることが大切になってきます。
例えば、1帖分のクローゼットがある6帖の部屋を1室つくろうと思えば、そこに辿り着くための廊下も合わせるとなると、160万円〜200万円ものコストがかかることになるわけですし、家の面積が大きくなれば、その分光熱費だってかさんでくることになるので、せっかく抑えられるはずである継続コストだって結局高くついてしまうことになってしまいますからね。
ですから、この点についても、生命保険のように、もしものことを想定し過ぎる余り、あれも必要かも?これも必要かも?という状態に過度になり過ぎないよう合理的に考えることが大切になってきます。
これが、機能性に優れた家を可能な限り安く建てるための秘訣です。
確かに部屋数が多かったり、面積が大きい家は、間取り図面を見た時、見た目には良く映ってしまうかもしれません。
しかしながら、そのような家の場合、機能性まで追求してしまったら、家の価格がめちゃくちゃ高くなってしまうし、逆に機能性を無視してしまったら、とんでもなく寒く暑く住み心地の悪い家になってしまうし、その結果、家の寿命を縮めてしまうことになり、そうなれば、老後に大きなコストを掛けて大規模なリフォームをしなくてはいけなくなったり、最悪の場合、建て替えせざるを得なくなってしまいます。
さらに、将来的にヒートショックを引き起こすリスクが格段に上昇してしまいます。
このような事実をご理解いただき、機能性という点も考慮した上での、予算設定と間取り設計を行なうようにしていただければと思います。
それでは・・・。